平均足の「実体」と「ヒゲ」から読み解く、相場参加者の心理と勢い

平均足の「実体」と「ヒゲ」から読み解く、相場参加者の心理と勢い FX規律トレード

結論から言います。私が平均足を選んだ理由は「規律」を守るためです。

いきなり本質的な話をします。 FX歴10年、そのうち7年という長い時間を「負け組」として過ごした私が、暗黒期を抜けるために辿り着いた結論はたった一つです。

**「手法が勝たせてくれるのではない。規律が勝たせてくれるのだ」**ということ。

しかし、この「規律を守る」という行為が、トレードにおいて最も難しい。 なぜなら、通常のローソク足は情報量(ノイズ)が多すぎて、私たちの感情を激しく揺さぶるからです。

  • 下がると思って売った直後に、長い下ヒゲが出て不安になる。
  • 小さな逆行にビビって、本来伸ばすべき利益を早すぎる利確で逃す。

こうした「感情のノイズ」を強制的に排除し、10年の試行錯誤の末に私を安定したプラス収支へと導いてくれた唯一のツールが、平均足でした。

なぜ平均足が「規律」を生むのか?

私が多くのインジケーターや手法を捨て、平均足という「物差し」を選んだ理由はシンプルです。 **「相場の勢い(トレンド)を、視覚的にごまかしようのない形で見せてくれるから」**です。

1つの波が視覚的に分かりやすい

平均足は、前の足の平均値を起点にするというその構造上、勢いが継続している間は同じ色が続きます。 この「色の連続性」こそが、迷いを消し、機械的な判断を可能にする「規律の源泉」となります。

通常のローソク足が「点(価格)」の記録だとしたら、平均足は「流れ(エネルギー)」の記録です。 そして、そのエネルギーの強弱を測るための計器こそが、**「実体」と「ヒゲ」**なのです。

では、平均足のどこを見れば「相場参加者の心理」を読み解き、自信を持ってエントリーやホールドができるのか。 その答えをこれから詳しく解説します。

実体の大きさが示す『参加者の確信度』

まず明確にしておきたいのは、ここで言う「実体」とは、平均足の実体を指すということです。

通常のローソク足の実体は、単に「一定時間内の価格のスタートとゴール」を示しているに過ぎません。しかし、平均足の実体には、それよりも遥かに深い**「相場参加者の確信度」**が刻まれています。

1-1. ローソク足と平均足の違い

世界で1番使われているのは左のローソク足。右が平均足です。ちなみにこの2つの足はどちらも日本発祥のテクニカル指標なんです。ローソク足の生みの親 本間宗久(江戸時代の米商)。平均足の考案者は不明ですが日本の相場師の間で伝承され、生糸相場などで「秘密の線」として活用。

見た目はそっくりな両者ですが、その本質は**「生のデータ」か「加工されたデータ」**かという点にあります。

  • ローソク足(生の価格) 「実際の取引価格」をありのまま表示します。正確なレートがわかる反面、細かい値動き(ノイズ)が多く、トレンドの判断に迷いが生じやすいのが欠点です。
  • 平均足(トレンドの視認性) 前後の価格を平均化して表示します。前の足の真ん中から次の足が出るため、見た目が滑らかになり、トレンドの方向や勢いを一目で判断できるのが最大の特徴です。
比較項目ローソク足平均足
表示価格実際の価格(注文に使う)平均価格(トレンド判断に使う)
メリット値動きが正確にわかるトレンドの継続・転換が明白
デメリットイズ(だまし)が多い実際のレートと常にズレがある
ヒゲの意味反転のサインになりやすい進行方向のヒゲは「勢い」を表す

1-2. 平均足の実体は「平均値の移動速度」である

平均足の構造を思い出してください。平均足の始値は「前の足の始値と終値の平均(つまり前の足の真ん中)」からスタートします。

つまり、平均足の実体が「長い」ということは、**「前の足の平均値を大きく上回る(あるいは下回る)方向に、強いエネルギーが継続して働いている」**ことを意味します。

  • 実体が長い: 参加者の多くが「まだこの方向に進む」と確信し、迷わずアクセルを踏んでいる状態。
  • 実体が短い: 勢いが衰え、利確勢と新規勢が拮抗し、「次はどうなる?」と参加者が迷い始めている状態。

1-3. 「規律」を守るための視覚的シグナル

私が平均足の実体にこだわるのは、それが「視覚的な規律」になるからです。

通常のローソク足では、トレンドの最中でも一時的な反発で実体が短くなったり、色が頻繁に変わったりします。これが私たちの心に「ノイズ」として入り込み、「もう反転するかも」「早く逃げなきゃ」という不安を煽ります。

しかし、平均足の実体を見ていれば、判断は極めてシンプルになります。

「実体が長く伸びている限り、参加者の確信は揺らいでいない。だから、自分の感情で勝手に決済してはいけない」

この「実体の長さ」という客観的な物差しがあるからこそ、私は7年間の暗黒期を抜け出すための「規律」を手にすることができるのです。

1-4. 確信が加速する「実体の肥大化」

特に注目すべきは、実体が前の足よりも徐々に大きくなっていく局面です。 これは、それまで傍観していた勢力が「乗り遅れるな」と一斉に参入し、相場のエネルギーが最大化していることを示しています。

この「確信の連鎖」を平均足の実体から読み取れるようになると、無駄な逆張りがいかに危険か、身を以て理解できるようになるはずです。

第2章:ヒゲが教える『決着』のサイン

下ヒゲがなく勢いがあり、だんだんと実体のサイズが縮小。+になって売りと買いが拮抗し、陽線から陰線へと変化。

↘︎これが上記画像と同じチャートでローソク足に変えたもの。上は平均足。

上昇してるが、値動きが不安に見えていつ価格が下がるのか?不安でチキン利食いや即時撤退に陥りやすい。

平均足において、ヒゲは単なる「高値・安値」の記録ではありません。それは、「反対勢力がどれだけ抵抗しているか」を示すセンサーです。

ここを読み解けるようになると、「どこまで利益を伸ばすべきか」「どこで逃げるべきか」という規律が、驚くほど明確になります。

2-1. 平均足のヒゲは「抵抗の有無」を表す

通常のローソク足では、上昇中でも「上ヒゲ」が出ると「売られた!」と不安になりますよね。しかし、平均足の解釈は全く逆です。

  • 上昇トレンド中の「上ヒゲ」: 買いの勢いが強く、さらに上値を追っている「ポジティブなサイン」
  • 下降トレンド中の「下ヒゲ」: 売りの勢いが強く、さらに下値を叩いている「ポジティブなサイン」

驚くべきことに、強いトレンドが出ている時、平均足には**「進行方向とは逆のヒゲ」が全く出なくなります。**

2-2. 規律の極意:片側にしかヒゲがない状態

私が「規律」を保つ上で最も信頼しているシグナルがこれです。

「上昇中に下ヒゲがない」、あるいは「下降中に上ヒゲがない」状態。

これは、反対勢力(上昇中なら売り方)が完全に戦意を喪失し、一方的な展開になっていることを示しています。この状態が続いている限り、どんなに含み益が膨らんで怖くなっても、**「規律として保有し続ける」**のが正解です。

内心「これだけ伸びればもうお腹いっぱいだ!」と思いがちですが、平均足のヒゲは「まだ決着はついていない」と教えてくれるのです。

2-3. 「両ヒゲ」が出現した瞬間の心理

これまで片側にしかなかったヒゲが、突如として上下両方に出現した時。これこそが、相場の「決着」あるいは「一時休止」を告げるサインです。

  • 心理的背景: それまで一方的だった流れに対し、反対勢力がついに押し返し始めた、あるいは推進勢力が利確を始めたことを意味します。
  • 行動の規律: ここで深追いをするのは「規律違反」です。勢いの決着がついたと判断し、利確を検討するか、少なくともストップを建値に移動させるなどの防御姿勢をとるべき局面です。

2-4. 逆方向のヒゲが「起点」になる

さらに重要なのが、トレンド転換の初動です。 例えば、長い下降トレンドの後に、初めて「長い上ヒゲ」を伴う陽線が出た時。これは、それまでの売りの決着がつき、買い勢力が一気に勢力図を塗り替えようとしている「希望のサイン」になります。

第3章:実体とヒゲを組み合わせた『負けない立ち回り』

平均足の「実体」がエンジンの出力を表し、「ヒゲ」が路面の状況(抵抗)を表すとすれば、この2つを組み合わせることで、今アクセルを踏むべきか、ブレーキをかけるべきかが一目で判断できるようになります。

私が暗黒期を経て辿り着いた、**「迷いを断つための3つのシナリオ」**を公開します。

3-1. 【継続の規律】最強の巡航サイン

最も利益を伸ばすべき「ボーナスタイム」の状態です。

  • 条件: 実体が一定以上の長さを保ち、かつ**「進行方向と逆のヒゲ」が一切ない**状態。
  • 相場心理: 参加者全員が同じ方向を向き、反対勢力の抵抗が完全に消失しています。
  • 下すべき規律: 「何があっても手仕舞わない」。ローソク足で小さな陰線が出ようが、押し目を作ろうが、平均足がこの形を維持している限り、トレンドは死んでいません。

3-2. 【警戒の規律】エネルギーの枯渇サイン

「そろそろ危ない」と、チャートが事前に教えてくれるサインです。

  • 条件: 実体が徐々に短くなり(コマの状態)、かつ**「上下両方にヒゲ」**が出現した状態。
  • 相場心理: 推進勢力の利確が始まり、反対勢力が「ここが限界だ」と押し返し始めています。確信が迷いに変わった瞬間です。
  • 下すべき規律: 「新規エントリー禁止・利確の準備」。ここで欲を出してポジションを積み増すのは規律違反です。ボラティリティが低下し、レンジや転換に移行する可能性が高いため、ストップを引き上げるか、半分利確してリスクを限定させます。

3-3. 【転換の規律】攻守交代の合図

「戦う場所」を変えるべきタイミングです。

  • 条件: 両ヒゲのコマが出た後、**「逆方向の色」に変わり、かつ「新しい進行方向に長いヒゲ」**が出た状態。
  • 相場心理: 古い勢力の決着が完全につき、新しい勢力が主導権を握ったことを示します。
  • 下すべき規律: 「古いポジションの完全決済と、ドテンの検討」。前の色に未練を残さず、新しい「流れ」に従う準備をします。

結び:平均足は、あなたを「孤独な戦い」から解放する

FXは、常に自分の感情との戦いです。 「もっと儲けたい」「損をしたくない」というエゴが、私たちの目を曇らせ、ルールを破らせます。

しかし、平均足の「実体」と「ヒゲ」という客観的な指標を基準に据えれば、トレードは**「自分の感情との戦い」から「サインに従うだけの規律」**へと変わります。

私が10年かけて学んだのは、高度な予測術ではありません。 **「相場が教えてくれるサインを、いかに私情を挟まずに受け取れるか」**という一点です。

もしあなたが今、暗黒期の中にいるのなら、一度すべてのインジケーターを消して、平均足の「実体」と「ヒゲ」だけをじっくりと眺めてみてください。そこには、大衆心理が描く、嘘偽りのない「真実の勢い」が映し出されているはずです。

その勢いに逆らわず、規律を持って身を任せること。 それが、あなたが相場で生き残り、自由を掴むための唯一の近道です。

最後に「実体とヒゲの組み合わせ表」をまとめました。参考にどうぞ。

状態実体ヒゲ判断(規律)
強いトレンド長い片側のみ継続(ガチホ)
勢い低下短い両側に出現警戒(利確準備)
転換初動色変わり進行方向に長い転換(エントリー検討)
僕はこんな人

暗黒の7年間を負け組として過ごすも、感情を排除した「規律」と「期待値」の重要性に気づき覚醒。Fintokeiコンテストにて世界2位・4位入賞。 本サイトでは、10年の挫折を経て辿り着いた、個人投資家が生き残るための「戦わない」戦略と、規律あるトレードの作り方を公開しています。

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